暖炉と薪ストーブ
もともとの、「暖炉」と「薪ストーブ」は構造や使い方が若干違ってきます。
昔は暖炉に使われるのは薪が主な燃料でしたが、
今では燃料として使用されるものや構造、機能も変化してきています。
現在の日本では「薪ストーブ」も暖炉に含まれると考えられています。
■暖炉
暖炉は壁に造りつけてあることが多く、火の燃える炉が大きく取ってあります。
暖炉に使われる素材はレンガ(煉瓦)や石材といった、熱を吸収し暖炉自身が熱を持つようになっているため、
吸収された熱と炉の中の火の熱を利用して室内を暖めています。
そのため、暖炉の周りや下側の薪と接触しているような部分では、
必ず輻射熱(ふくしゃねつ)の利用できる素材が使われています。
暖炉に使われている素材は大変熱くなり、暖炉とその周りとの間にきちんと断熱処理がされていないと、
壁が痛んでしまったり、火事になる危険がありますので注意が必要です。
また、暖炉から伸びている煙突は、暖炉で燃やしたガスや煤(スス)などを排出し、
室内の暖められた空気が外へ吸い出されすぎることが無いように
絞り部分がつけられるといった工夫がされています。
■薪ストーブ
薪ストーブは、薪を使ったストーブで、暖炉のように壁に作りつけてあるものはあまりありません。
暖炉は炉の口が広く取られているのに対し、薪ストーブは薪を燃やす「炉」に扉が付いていて、
その扉を閉めて使いますので、暖炉より炉の口は狭くなっているものが多いようです。
扉を閉めた状態で、炉の中に送る空気の量を変えることで火を調節することが出来ます。
そのため、暖炉で薪を使うより、長い時間薪を燃やすことが出来るのが「薪ストーブ」の特徴です。
また、薪ストーブは扉を閉めて使用しますので、暖房器具としては薪ストーブ自身の輻射熱のみを利用します。
昔からあるタイプの暖炉よりは、効率よく熱を利用して部屋を暖めることが出来ます。
暖炉・施工の違い
暖炉の形には大きく分けて2種類の暖炉があります。
現在日本で施工・販売されている暖炉は、ほとんどが輸入になりますが、
日本の住まいでも使いやすいように工夫されています。
また、使用される燃料によってタイプの違う暖炉が販売されています。
■組み込み式の暖炉・ビルトインタイプ
壁に造りつけてあるものですが、
材料は昔から使われている耐熱煉瓦(たいねつれんが)や石材だけを使用するものの他に、
鋳鉄(ちゅうてつ)や鋼板(こうばん)製の箱型の炉を煉瓦などで囲んであるものもあります。
古くからの暖炉は、暖炉の周りの空気をどんどん利用して火を燃やしていきますので、
炉の近くだけが暖かく暖炉から離れると、熱が届かないことが多くありました。
そのため、炉の下に灰を落としたり下から空気を入れられるように、
炉の部分が高くなっているタイプの暖炉もあります。
また、炉が開いていると灰や火の粉が室内に飛んできてしまうので、
暖炉の前には通常、金網や木材の小さな仕切りのようなものを置きますが、
最近のビルドインタイプの暖炉でも、扉を開け閉め出来るようになっている密閉可能な、
熱効率の良いタイプも販売されています。
輻射熱と対流方式の両方を兼ね備えた、「輻射対流兼用」タイプもあります。
■据え置き式の暖炉・フリースタンディングタイプ
従来の暖炉ではなく、薪ストーブタイプの暖炉です。
ビルトインタイプより比較的小さめのものが多く、
炉自体はほとんどが鋳鉄(ちゅうてつ)や鋼板(こうばん)でできたストーブ型が一般的です。
より熱効率を高めるため、脚付きや2段になっている「輻射熱方式」ものや、
炉の周りに空気を取り込み暖められた空気で家の中を温める「対流方式」のものがあります。
「対流方式」の炉は、輻射熱方式と違い、炉自体の熱で周りの空気を温めるのではなく、
炉の周りに空気を取り込空間が作られているため、外側から触ってもあまり熱くありません。
また、この両方の加熱方式を合わせた「輻射対流兼用式」もあります。
フリースタンディングタイプは、空気の温め方の違いにかかわらず、炉に扉を設置することが可能です。
■薪を燃料とする暖炉
薪を燃料する「薪暖炉」「薪ストーブ」は
薪を燃やしている時の炎を見ることができる、というのが人気の特徴です。
また、自然の木が燃料になりますので、薪だけを燃やすのであれば、
ダイオキシンの発生は極少量と、環境にやさしい暖炉です。
薪以外の新聞広告などを頻繁に燃やしてしまうと、
ダイオキシンの発生量が増えてしまいますので、避けたほうがいいと思います。
また、薪が燃え始めるまでにやや時間がかかり、ススがでますので
煙突を二重にするなどの工夫をすると使いやすくなります。
■ガスを燃料とする暖炉
ガスを燃やす「ガス暖炉」も炎を見ることができます。
しかし、薪が燃える時のゆらゆらとした炎でははく、コンロなどで見られるような直線的な炎になります。
ガスを燃料としていますので、燃え始めは早く、室内が暖まるのはとても早いタイプの暖炉です。
しかし、ガスが燃える時、ガス独特のにおいがありますので、やや気になる方もいるかもしれません。
■電気の暖炉
これは電気のエネルギーで暖める暖炉になりますので、炎はありません。
暖炉の楽しみの一つは炎でもあると思いますので、最近の電気式の暖炉の正面にはパネルがはめ込んであり、
薪と炎が映像として映るようになっているものもあります。
火事の危険は大変少なく手間がかかりません。
薪ストーブや暖炉は、生活に必ず必要なものではありませんが、
住まいの中で暖かさやぬくもりを与えてくれる、素敵なものだと思います。
暖炉のある暮らしを楽しんでみてはいかがですか?
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